埋め込み・再発掘実験

   実験の動機


埋められた直後に、埋めた痕跡が分かるかという課題を解決したかったのが、実験の動機です。
袖原3遺跡では7〜8年前に埋められたものの、痕跡が明瞭に捉えられました。
また、上高森では1年前に埋められたと考えられる石器も、その証拠が明白でした。
これまでの、長い期間、なぜ、このような明白の事実を見落としてきたのだろうか。どうして、分からないままに、調査が続けられてきたのか、もしかすると、埋められた直後では、分かりにくいのではないかという、疑問があったためです。
埋められた直後では、判断が付かないと言うことであれば、考古学の基本である、発掘調査そのものに方法的な欠陥があるのであり、これを拠り所とする考古学が成り立たないのではという不安があったためです。実験は調査が終わった上高森A−3区のKs−1直下の層で実施しました。