埋め込み・再発掘実験の総括

   掘って埋めた痕跡はなかなか分からない

   不正な工作は石器が顔を出してからでも、十分に見抜くことができる。


同一層内で穴を掘って埋めた場合には、見ただけではほとんど分からず、土を削っても、その工作の跡を見つけることには相当の困難を伴うことが分かりました。言い換えれば、ふつうの調査では石器が出る前に、掘った穴が見えるということは、まずないと言っていいかと思います。
しかし、石器が顔を出してからの調査で、十分に不正工作は見抜くことができました。石器を埋めるために掘った痕跡は10年前であろうと、直前であろうと、消しようがないようです。石器と同じ剥離面のインプリントは付くはずがなく、もし、付いていたとしても、石器が接していたところも土の潰れが見えたり、汚れが見えたりするはずです。