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東北地方太平洋沖地震被災文化財の救援と修復に協力を(文化庁長官メッセージ)
未曾有の規模の地震となった東北地方太平洋沖地震によって,多くの尊い人命と財産が失われました。お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに,御遺族と被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。
今回の地震及び津波により,国が指定等した文化財だけでも400件以上の甚大な被害がありました。その範囲は極めて広く,まさに文化財保護法制定以来最大の試練と言っていいかもしれません。国宝,重要文化財,特別史跡や特別名勝に指定されている文化財も数多く被災し,損傷,倒壊した文化財の中には復旧に長い時間を必要とするものもあり,中には滅失したものすらあります。
指定・未指定を問わず文化財は,我が国はもとより人類が未来にわたって共有すべき貴重な財産であり,これらを後世に伝えていくことが,現代に生きる私たちの責務です。そのためにまずやらなければならないことは,今回の地震や津波によって被災した文化財や美術品等を緊急に保全し,今後予想される損壊建物の撤去等に伴う廃棄・散逸あるいは盗難等の被害から防ぐことです。
このため,文化庁では,被災された地域の教育委員会や関係団体・学協会等と連携し,美術工芸品等の動産文化財を中心に「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援事業(文化財レスキュー事業)」を行うことといたしました。まずはこの事業を通じて,被災した文化財を緊急避難させることに尽力したいと考えています。
その後,関係者の叡智を結集して,救援した文化財や被災した建造物等の不動産文化財等の修理・保存を行ってまいります。文化財は,地域の人々の心の支えと連帯の象徴となっているものもあり,これらの復旧が早期に行われることによって,被災地に明るい笑顔を取り戻す一助となればと考えています。
文化庁としても,これらの事業を進めていくため,既定予算の活用,補正予算での計上等の取組を進めてまいりたいと考えております。しかし,専門家の派遣,必要な資材の供給,被災文化財の保管場所の確保等,文化財レスキュー事業を迅速に進めていくためには,また,被災文化財の修理・保存を幅広く行うためには,多くの方々や関係機関の御協力など国を挙げての取組が必要不可欠です。これらの事業を実施するための寄附金・義援金の窓口として,公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団に下記の口座を設けていただきました。ぜひとも被災文化財の救援と修理・保存に向けて,多くの方々の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。
平成二十三年四月
文 化 庁 長 官 近藤 誠一
<被災文化財の救援,修復・保存に関する寄附金・義援金の受付窓口>
1 銀行振込の場合
銀行口座 三井住友銀行 上野支店 普通 6615496
口座名義 公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団
(※ 銀行振込の場合,振込者の確認が難しいため,領収書,お礼状の発行等の必要上,同財団事務局に事前に連絡をいただけると幸いです。)
2 郵便振替の場合
振替番号 00160−5−12319
加入者名 公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団
(※ 通信欄に「地震」とお書きください。)
□ 募金についてのお問い合わせ
公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団
〒110-0007 東京都台東区上野公園12-50
電話:03-5685-2311
□ 東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援事業(文化財レスキュー事業)についてのお問い合わせ
文化庁文化財部美術学芸課
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(代表)
課長 栗原祐司(内線2884)
課長補佐 山口 顕(内線2933)
文化財管理指導官 朝賀 浩(内線2890)
http://www.bunka.go.jp/bunkazai/tohokujishin_kanren/chokan_message.html
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