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仙台城本丸跡発掘調査 「大広間」跡を発見

仙台市教育委員会 12月20日

仙台市教委が国庫補助を受けて進める青葉区の仙台城跡発掘調査で、本丸の中心だった「大広間」の建物跡が見つかったと発表。絵図などに記録が残っているが、大広間の一部が確認されたのは明治初期に城が取り壊されて以来初めて。金メッキなどの飾り金具も出土した。
 今回の調査では大広間の東端に当たる部分から、柱を支える礎石の抜き取り跡が10基見つかった。礎石跡にはこぶし大の石が敷き詰められている。
 このほか(1)座敷端の柱を支えた直径2メートル前後の礎石跡(2)座敷周り広縁と呼ばれる直径1メートル前後の礎石跡(3)広縁の周りにある一段低い廊下である落縁の直径70cm前後の礎石跡―も見つかった。軒下には割石や玉石を埋め込んだ幅約60cmの雨落ち溝もあった。
 溝付近からは屋根板を支えた垂木を彩る飾り金具10点も出土。魚卵状の「魚子打ち」で三重菊や唐草などの文様が施され、正面出入り口に使われた可能性が高い。金具止めの銅くぎ約160点も出土した。
 「千畳敷き」と称された大広間は、豊臣秀吉の聚楽第を範として仙台藩祖・伊達政宗が建造した。市教委文化財課は「遺構が非常に良好な状態で見つかった」と話している。
[河北新報2001.12.21]