MIYAGI ARCHAEOLOGY INFORMATION Vol.27 2002.7.20



仙台市青葉区 仙台城二の丸跡(現地説明会:2001.10.21)

 東北大学埋蔵文化財調査研究センターによる仙台城二の丸北方武家屋敷地区(東北大学川内北キャンパス内)の発掘調査で18世紀頃(江戸時代)に掘られたごみ穴が発見され、当時の建築廃材や宴会で使った道具が大量に出土した。
 ごみ穴の中からは、屋根に敷く薄い板などの建築廃材のほか、下駄や漆器、犬の全身骨格などが出土した。池だったとみられる窪地には、素焼きの器や箸などが折り重なるように大量に出土し、宴会で使用した後、まとめて捨てたとみられる。
 江戸時代の仙台で、どのようにごみを処理していたのかはこれまで明らかでなかったが、今回の調査で、武家屋敷地区では敷地内に穴を掘り、埋めていたことが分かった。全国的にも江戸期の都市の実態を知る上で重要な発見と言える。
 このほか、仙台藩祖・伊達政宗の時期の磁器や陶器も出土したことから、青葉山に仙台城が築城された江戸時代の初めから、二の丸北側の地区が広い範囲で武家屋敷地として計画的に整備されていたことも明らかになった。