発掘区の設定と発掘調査の方法・日程

発掘区の設定
 既発掘区を拡張する第T区、その北西側への拡張部分である第U区、農道を挟んだ東側隣接地に第V区、既発掘区の南側隣接地に第W区を設定する。
 また、指定地内各所に14ヶ所の3m×3mの発掘区(第X区@〜M)を設定する。

発掘調査の方法
 調査の目的にも記したように、検証を目的とする調査は、既発掘区周辺を拡張することによって問題の追及及び確認を行う(第T・U区)。この調査は、既に実施された複数の検証発掘調査によって築かれた方法を踏まえ、その経験を生かしたものとする。
すなわち、1)既発掘区の精査を行い、2)ついでその延長部分について同一層の広がりを面的に追及し、そこにおける出土石器の確認とその包含状態の精査を行うというものである。これは遺跡、遺物の広がりを確認することができるか否かと、確認できた場合には、その連続性を明らかにすることと、より詳細に遺跡の性格を把握することを目指すものである。また、3)その石器包含層がいかなる地質学的、地形学的な形成過程をもつものであって、4)それが生活址として石器が包含されていることをと矛盾するものであるのか否かについて科学的な判断を行うことを目指すものである。さらに、5)必要な各種の自然科学的分析を実施する。
 同様の調査を既発掘区隣接部分においても面的に実施する(第V・W区)。
 さらに、指定地内各所においても、遺跡の広がりとその内容を確認するため、やや大きめの試掘坑を微地形に応じて設定し、発掘する(第X区)。この、やや広域に散在する発掘区の調査では、縄文時代以降の遺構等が確認された場合には、これを破壊することは避け、当該発掘区の全部もしくは一部は、それ以上の発掘調査を中止することを原則とする。
 
発掘調査の進め方と日程
 4月26日より8週間の発掘調査日程を予定する。
 4月26日の発掘着手に先立ち、測量,杭打ち、現場事務所プレハブの設置等を行う。
 既発掘区の埋土の排除作業も可能な限り26日以前より着手する。
 第T区〜第W区の発掘調査、すなわち検証発掘調査を先行させ、ついで第X区の発掘調査を行う予定であるが、調査参加人員等を勘案して、一部第X区の調査を付表の予定以前から実施することがある。
 発掘調査の開始は毎日午前9時、終了は午後4時30分とし、午後3時よりその日の発掘調査の簡単なまとめを調査団で行い、必要があれば調査委員会や関係機関等の間で内容を確認し、午後3時30分より報道各社に対するブリーフィングを行う。


注)U・V区の断面(のり面)は、現状変更面積に算入しているが、特段の必要が生じない限り発掘対象としないために本表では除外した。
 X区については、各調査期間中の参加人員の多寡によっては、連休中より発掘を開始するなどの変更がありうる。
 第1回調査委員会は4月20日、第2回は5月19日、第3回は6月9日に予定する。調査の進展にともない、必要が生じればこの限りではない。