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仙台城跡関連情報
 
仙台城跡保存問題への取り組み
 
艮櫓と石垣のとっかかりマンガ
 仙台市の漫画家千葉真弓さんが、仙台城本丸跡の石垣修復工事と艮櫓復元事業に関する論争を分かりやすく解説した漫画冊子を発行。昨年10月に発行した第1弾「艮櫓と石垣のとっかかりマンガ」は注文が相次ぎ、既に5000部を印刷、このほど第2弾「艮櫓と石垣のひっかかりマンガ」が発行された。
 作品には、若き政宗と正室の愛姫、家臣の片倉小十郎が登場。3人の会話を通じて論争の経過を振り返り、学者らから批判が出ている石垣の石積み工法や艮櫓復元への疑問にも触れている。「去年決まって、もうだれも何も言えないんでしょう」という愛姫の疑問に、「決まったからもう終わりじゃ、きっとないんだ。みんながしらけたり、あきらめたりして、放り出したときに終わるんだ」というメッセージを政宗に語らせている。
 漫画冊子はB6判15ページで、千葉さんの自主制作。第2弾は2600部を印刷した。市内の書店「宝文堂」や「ブックスみやぎ」、商店、喫茶店などで無料配布している。問い合わせは、手紙かはがきで〒980-0011仙台市青葉区上杉1-15-10-301、まちのほこり研究室へ。製作費へのカンパも募っている。
 なお、「艮櫓と石垣のとっかかりマンガ」および第2弾「ひっかかりマンガ」は、仙台城跡保存問題のページでも読むことが出来る。
突刊石垣新聞
 仙台城本丸跡で見つかった石垣の魅力を子供たちにも知ってもらおうと、市内の主婦、石垣ゆかりさんが小学生向けの「石垣新聞」を発行。1人で執筆、編集し、「突然刊行される」ので「突刊石垣新聞」と名付けた。先ごろ英語版「Stonewall Newspaper」の発行も始まった。A4判、1ページで1ヶ月に2回ほどの発行。青葉区の市民活動サポートセンターなどで無料配布されている。連絡はE-mailでishigakiyukari@yahoo.co.jpへ。
仙台城石垣保存問題のページ http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tyana/ishigaki/
 仙台城本丸跡の発掘調査で発見された1期・2期石垣の保存と艮櫓の史実に忠実な位置への復元を支持する立場から、保存問題についての情報を発信。昨年9月に歴史研究者らが共同で開設し、東北大学の柳原敏昭助教授が管理している。
仙台城石垣出前講座(仙台城の石垣を守る会)
http://www.vegalta.net/~ishigaki/index.html
 仙台城の石垣を守る会(代表世話人・平川新東北大学東北アジア研究センター教授)は、仙台城石垣の保存を願う歴史研究者によって2000年12月に結成された。
 このほど、仙台市が進める仙台城の石垣修復や艮櫓建設に興味を持つ市民グループを対象に、講師を派遣する「出前講座」を始めた。出前講座は守る会のメンバーが講師となり、5人以上の学習会などに派遣。仙台城石垣の文化財としての重要性や、石垣修復工事の現状、艮櫓建設の問題点を解説する。
 講師派遣を希望する場合は、参加者1人当たり100円の資料代と講師の交通費(実費)を負担する。問い合わせは守る会事務局の柳原敏昭東北大助教授研究室022(217)6063(TEL&FAX)またはE-mailでtyana@sal.tohoku.ac.jpへ。
美しい仙台を創る会 http://www.vegalta.net/u-sendai/
 「快適な暮らしを享受する権利と同様に、私たちはこの仙台を美しくする権利があると考える」‐美しい仙台を創る会(関敏ひこ代表)は、仙台市内の環境問題を抱えているグループが核となって2000年10月に設立された市民団体。松森ごみ処理場問題や追廻住宅問題など、市内の多様な問題に取り組んでいる市民団体相互の橋渡し役として誕生した。環境オンブズマンを目指して今後さまざまな活動を展開していく計画という。
 会の活動の第一弾として仙台城石垣の保存問題に取り組んでおり、「政宗公の石垣を守ろう-市民の集い-」と題した市民集会を3月に開催した。
追廻住宅親和会 http://www2.mwnet.or.jp/~sinwakai/
 仙台城本丸石垣の修復と艮櫓の復元は、青葉山公園基本計画の一環としてすすめられている。267億円をかけた第1期計画にはこのほか追廻地区全住宅の移転跡地に「水と緑の館」、「平成の庭」を整備する構想がある。平成8年11月、仙台市から突如一方的な移転要求を突き付けられた追廻地区の450戸、約1500人の住民でつくる追廻住宅親和会(永澤勁会長)はこれに抗議。石垣の修復や枯れたままになっている樹木の更新など現在公園として市民に利用されている地区の整備が先決であり、国をあげて財政危機がいわれている今、自然破壊にもなりかねない公園づくりに巨額の血税を投入すべきではないとして第1期計画の見直しと住民との話し合いを求めている。
このページは「みやぎ文化財発掘出土情報」第26号(2001.05.05)より転載した。

学会・研究者による要望書提出一覧
2000年1月7日 日本史研究者20名
2000年1月22日 在仙歴史学会連合
(仙台郷土研究会・東北史学会・東北大国史談話会・宮城歴史科学研究会・宮城歴史教育研究会・東北学院大学中世史学会)
2000年1月28日 宮城県考古学会
2000年5月11日
・10月2日
2001年2月7日
・5月30日
日本考古学協会
2000年9月3日 日本城郭史学会
2000年9月6日
・11月20日
2002年3月8日
在仙史学系7団体
(仙台郷土研究会、東北史学会、東北大国史談話会、宮城県考古学会、宮城歴史科学研究会、宮城歴史教育研究会・東北学院大学中世史学会)
2000年10月6日 歴史学等の研究者5名
2001年2月8日
・6月22日
・6月29日
2002年1月17日
・3月22日
仙台城の石垣を守る会
2001年4月25日 歴史科学協議会
2001年5月25日 日本史研究会
2001年6月12日 歴史学研究会
詳細は[記録]仙台城跡をめぐる主な動きを参照