MIYAGI ARCHAEOLOGY INFORMATION Vol.27 2002.7.20



仙台市青葉区 仙台城本丸跡(現地説明会:2001.12.22)

 仙台市教育委員会が国庫補助を受けて進める仙台城本丸跡の発掘調査で、本丸の中心施設だった大広間の建物跡が発見された。大広間は仙台藩祖・伊達政宗が豊臣秀吉の聚楽第を範として建造し、絵図などに記録が残っているが、遺構が確認されたのは明治初期に城が取り壊されて以来初めて。
 今回の調査では絵図などから大広間の東端に当たると考えられる部分で、柱を支える礎石の抜き取り跡が10基見つかった。このほか、座敷端の柱を支えた直径2m前後の礎石跡、座敷周り広縁と呼ばれる直径1m前後の礎石跡、広縁の周りにある一段低い廊下である落縁の直径70cm前後の礎石跡なども見つかった。礎石跡には礎石を安定させ沈下を防ぐためにこぶし大の石が敷き詰められ、軒下には割石や玉石を埋め込んだ幅約60cmの雨落ち溝もあった。
 溝付近からは屋根板を支えた垂木を彩る飾金具10点も出土。魚子打ちと呼ばれる技法で三重菊や唐草などの文様が施されており、大広間の正面出入り口に使われていた可能性が高い。金具止めの銅釘約160点も出土した。