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仙台城跡の部分国史跡指定か市指定を

仙台市文化財保護審議会 2月19日

 仙台市文化財保護審議会(会長・大石直正東北学院大学教授)で、仙台城跡の史跡指定をめぐり、「敷地のうち市有地を国史跡として先に部分指定してもらうか、それができなければ仙台市の史跡に指定する道もあるのではないか」との提案が出された。審議会は次回も引き続き史跡指定の可能性を話し合うことを決めた。
 審議会は1988年、市に対して仙台城跡の国史跡指定を目指すように答申した。2000年4月には石垣修復や艮櫓建設工事が国指定の妨げにならないよう、慎重な整備を求める意見書を藤井黎市長に提出。藤井市長は一貫して国指定を目指す姿勢を示している。
 大石会長はこれまでの経緯に触れ、「艮櫓建設の経緯などを見ると、国史跡指定が認められなくなるのではないかと心配だ」と表明。「敷地のうち市有地を国史跡として先に部分指定してもらうか、それができなければ仙台市の史跡に指定する道もあるのではないか」と提案した。これに対し、市側は「(国の史跡としての)部分指定は原則的に難しい。市指定も所有者の同意が必要だ」と即答を避けた。大石会長は「手続きは難しいと思うが、市の指定を目指してはどうか」と重ねて強調。別の委員も「仙台市は史跡指定を目指す道筋を示してこなかった。それが不信感につながっている」と発言した。
[河北新報2002.02.20]