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江戸時代の武家屋敷跡と明治の和洋料亭ゆう翠館跡ゆう翠館跡

仙台市 桜ヶ岡公園遺跡 (江戸時代・明治時代)
遺跡データ
遺跡名 桜ヶ岡公園遺跡(さくらがおかこうえんいせき)
所在地 仙台市青葉区桜ヶ岡公園地内
調査主体 仙台市教育委員会
調査原因 仙台市高速鉄道東西線建設に伴う事前調査
公開日 2008年6月7日(土) 10:00〜
参考資料 「桜ヶ岡公園遺跡発掘調査 遺跡見学会資料」仙台市教育委員会 2008.6.7


大町交差点から桜ヶ岡公園(西公園)を見た様子
正面のフェンスの中が発掘調査した場所です。
仙台城跡にほど近い仙台市街地の一角、桜ヶ岡公園(西公園)の地下鉄東西線建設予定地で遺跡見学会が開かれました。

地元の人には昨年まで天文台があった場所と言うと分かりやすいでしょうか(ちなみに余談ですが新しい天文台は青葉区錦ヶ丘に今年オープンしますね)。

この一帯には、片倉小十郎など仙台藩の上級家臣の屋敷があったことが江戸時代の絵図から分かっているそうです。

また、明治時代には和洋料亭(ゆうすいかん)が建てられ、西洋文化を取り入れて園遊会やビアホールが催されたそうです。

発掘調査では、武家屋敷の一部と見られる建物跡や、の建物基礎の跡などが見つかりました。

武家屋敷跡では江戸時代の瓦や陶磁器が大量に出土しました。跡ではフランスやイギリスなど西洋諸国から輸入された陶磁器が出土しました。

発掘現場が市街地に近いこともあってか、当日はとてもたくさんの人が見学に訪れました。「こんな街の中に遺跡が?」と驚いた人も多かったかもしれません。

発掘の成果は、現在の仙台の成り立ちを教えてくれる大切な証拠です。そして、私たちの生活の本当に身近なところに遺跡は埋もれている。そんなことを実感できた見学会でした。

遺跡見学会の様子

江戸時代の建物跡
穴を掘って柱を立てた掘立柱建物跡です。

江戸時代の地鎮祭の跡
かわらけ(土器)と寛永通宝が出土しました。

明治時代の和洋料亭
四角く穴を掘って河原石を詰めた建物基礎の跡です。

遺跡見学会の様子
市街地のすぐそばで顔を出した江戸・明治の仙台。

出土した江戸時代〜明治時代の陶磁器類の数々

遺跡見学会の様子

で使われていた輸入陶磁器類

遺跡見学会の様子

イノシシやサル、イヌなどを象った江戸時代の土製品
2008.6.9更新