宮城考古学情報>みやぎ遺跡発掘>2009>仙台市大野田官衙遺跡
|
|
仙台市の富沢駅周辺では、土地区画整理事業で整備される道路の建設に先立って平成6年度から遺跡の発掘調査が進められています。 これまでの発掘調査で、真北方向を基準にした大型の掘立柱建物跡が4棟発見され、それらの建物群を取り囲むように巡る大溝跡も発見されました。 出土した土器などから、これらの建物や大溝は奈良時代の初め頃(8世紀前半頃)に作られたと推定され、これまでその存在が知られていなかった古代の官衙(かんが、役所)の跡だと考えられています。 今回の調査では、2か所の調査区で古代の役所の西辺を区画する大溝跡が発見されました。昨年度までの調査で発見されていた北・東・南辺を区画する大溝跡と合わせて、役所の範囲が南北約259m、東西約196mの規模だったことが判明しました。 大野田官衙遺跡の北東約1.5kmのところには、当時の陸奥国府と考えられている郡山遺跡U期官衙があります。今回見つかった役所跡は郡山遺跡の陸奥国府と密接な関係にあり、物資の集積などの役割を果たしていたと考えられるそうです。 見学会の当日は、近くの大野田コミュニティーセンターで大野田地区の遺跡から出土した土器や埴輪の展示会が開かれました。 会場内には「はにわ」「古墳」「古代」など遺跡にちなんだ子どもたちの書道作品や、遺跡について学習した時の感想文なども展示されていました。 |
||
遺跡見学会の様子 | ||
発見された大溝跡。一度埋まった後に掘りなおされていました。 | ||
遺跡見学会の様子 | ||
発見された大溝跡。こちらも一度埋まった後に掘りなおされていました。 | ||
大野田地区の遺跡から出土した土器や埴輪の展示。子どもたちの書道作品の展示も。 | 展示の様子。普段は見られない貴重な資料も多数展示されました。 | |
2009.8.22更新 |