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台町古墳群 だいまちこふんぐん
伊具郡丸森町


主墳と見られる前方後円墳(北から)
阿武隈川に接する丘陵上に、大小170基以上の古墳が群集する台町古墳群がある。

主墳と見られる全長33mの前方後円墳は1903(明治36年)に発掘され、六鈴鏡と内行花文鏡、鈴釧、須恵器などが出土した(一部は東京国立博物館蔵)。

一部には明治期に庭石探索のために掘り起こされ、石室部分が窪地状になっていたり、石室の内部が露出している古墳もある。

これまでの調査により、箱式石棺、竪穴式石室、横穴式石室など各種の埋葬施設を持つことが明らかにされ、古墳時代中期〜後期(5〜7世紀頃)に築造されたと考えられている。

103号墳からは、県内では珍しい壺をささげる女性や、武装した男子を象った人物埴輪が出土している(町内のまるもりふるさと館にレプリカ展示)。

現在、古墳群は史跡公園として整備され、遊歩道を散策しながら古墳を見学することができる。

遊歩道を奥まで進むと阿武隈川の河岸に突き当たり、東西に眺望が開ける。

古墳群を背後にして、阿武隈川の静かな流れに悠久の時の流れを重ねてみるのもいい。

内部が露出する横穴式石室

1号墳

台町古墳群から阿武隈川を望む
撮影:20050308