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櫃ヶ沢遺跡 ひつがさわいせき
宮城郡利府町


櫃ヶ沢遺跡付近からの遠望(南東を望む)
―松島湾のさざなみが、静かに歴史を解きほぐす。

櫃ヶ沢遺跡は、松島湾の名勝「馬の背」に抱かれた小さな入り江に営まれた古代の製塩遺跡。


付近から松島湾を望めば、手前に細長く延びる「馬の背」、その先に馬放島と七ヶ浜半島の仙台火力発電所が見える。

遺跡は国道45号に取り付く旧道から、道なき道を下った小さな砂浜にある。

入り江の奥部は湿地のようになっていて、夏は背丈以上の草がびっしりと生い茂るため、まず進入不可能。春先の下草の刈り払い直後が唯一のチャンスのようだ。

櫃ヶ沢遺跡の入り口

櫃ヶ沢遺跡の全景

櫃ヶ沢遺跡の波打ち際

波打ち際に散布する多量の土器片
松島湾周辺の製塩土器は、縄文時代晩期には尖底だったものが丸底に変化し、古代には平底のバケツのような形に変化したと言われている。

波打ち際に夥しい量の製塩土器が散布する様子は、砂浜というより土器浜と呼ぶのが相応しい。
撮影:20040404,20050403