宮城考古学情報宮城の考古学散歩遺跡リスト>大代横穴古墳群


大代横穴古墳群 おおしろよこあなこふんぐん
多賀城市大代


県道に面した露頭に開口する横穴古墳群
七ヶ浜半島へ続く県道に面した凝灰岩の露頭に、27基の横穴が口を開けている。

古墳時代の終わり頃(7〜8世紀頃)に造られた大代横穴古墳群である。

横穴古墳は通常、死者の遺体を安置する玄室と、その入り口の玄門、外部との通路である羨道(せんどう)で構成されている。

大代横穴古墳群では構成の削平が著しく、多くは玄室の最奥部のみが残存している。

1984(昭和59)年に発掘調査が行なわれ、直刀、勾玉、切子玉、金環、土師器、須恵器などの副葬品が出土した。

最も規模の大きな横穴からは北限の出土例となる金銅装頭椎大刀(こんどうそうかぶつちのたち)が出土し、大和政権との結びつきを窺わせている。

これらの出土品は、多賀城市埋蔵文化財調査センターに常設展示されている。

露頭は後世の削平を受けた

開口する横穴の様子
撮影:20021116