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難航する仙台城石垣修復工事
―完了は平成14年度後半に―

仙台市議会都市整備建設常任委員会 7月21日

 仙台市は7月21日に開かれた仙台市議会都市整備建設常任委員会で、仙台城の石垣解体修復工事が貴重な遺構の出土に伴って予定より1年3か月ほど遅れており、平成13年度秋に見込まれていた石積み工事の完了が平成14年度後半にずれ込むとの見通しを示した。これにより平成13年度内が目標だった艮櫓の本格着工も、予定より遅れることが確実となった。
 石垣解体修復工事は平成10年10月に解体が始まったが、これと並行して進められていた発掘調査で築城期の石垣など貴重な遺構が発見された。このため遺跡保護の観点から機械作業を人力に切り替えるなどしたため、大幅な工事日程の見直しが必要になったという。
 仙台市建設局は平成14年度内の完了を目指し、9月中に石積みに入りたい考えだが、今後の発掘調査の結果や艮櫓の再建位置をめぐる論議の行方なども工事の進行に影響を与えるとみられる。
 修復する現存石垣(3期)の内側から見つかった古い石垣の保存について、仙台市建設局は築城期の石垣(1期)は埋め戻して極力保存するとの方針を示している。一方、築城から数十年後に造られた石垣(2期)については保存の方向で検討するが、修復する3期石垣の安全性が確保できない場合は、最小限の範囲で解体・移設することも視野に入れ、安全性を優先する意向を示した。
[河北新報 2000年07月22日]