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古い石垣の保存と史実に基づく復元要望

仙台郷土研究会など史学研究七団体 9月6日

 在仙の史学系7団体(仙台郷土研究会、東北史学会、東北大国史談話会、宮城県考古学会、宮城歴史科学研究会、宮城歴史教育研究会、東北学院大学中世史学会)が9月6日、「仙台城本丸石垣・艮櫓の保存・復元に関する要望書」を藤井市長宛に提出。発掘調査で見つかった古い石垣の保存・保護や櫓の位置を古い石垣の上にすることなどを求めた。
 史学関係団体の共同要望は今年1月に続いて2回目(今回は宮城県考古学会が加わる)だが、今回は櫓の位置について「現存石垣ではなく、古い(2期)石垣の上」とする見解を初めて打ち出した。
 艮櫓の建設位置については市の当初計画通り「観光効果を重視して市街地から見える現存石垣の北東角」の意見と、「史実通り、2期石垣の上」の主張がある。
 要望書は、現存石垣の北東角に建設した場合、(1)史実に合致しない(2)石垣の背面構造が壊され、発掘された古い石垣やさらに地中に残っている可能性がある古い石垣を壊す(3)古い石垣の保存が不可能になり、将来の国史跡指定を妨げる−などと指摘。古い石垣の保存と、その延長線上への艮櫓建設を求めている。
 応対した加藤義雄助役は「櫓の建設位置はいろいろ考えがあるが、結論はこれから。学問的見地にも十分、耳を傾けるのは基本だ。古い石垣は費用がかかっても大事にしたい」と述べ、櫓の位置については明言を避ける一方、古い石垣を保存する考えをあらためて強調した。