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石垣遺構の追加調査実施の方針

仙台市 10月19日

 仙台市は10月19日、櫓の基礎となるコンクリート柱を立てる場所に未発掘の築城期(1期)石垣があるかどうかを把握するため、追加ボーリング調査と地中レーダー探査を行う方針を決めた。櫓建設と古い石垣の保存が両立できるかの判断材料にするため。調査は10月末までが目標で、藤井仙台
市長は調査結果を参考にして最終判断をする方針。
 仙台市は9月半ばから、コンクリート柱が地震に耐えられるかなど、地質を調べるボーリング調査を始めていた。今回、地中の古い石垣の有無を調べることを目的としてさらに深く掘り、水平方向にも数箇所追加調査する。地中レーダー探査では石垣遺構の広がりを面的に調べる。コンクリート柱の予定地と周辺で、石垣や裏込め石があるかどうかを探る。
 仙台市の艮櫓復元事業では建設位置をめぐり、市街地からの見栄えを重視した「現存(3期)石垣の北東角」とする意見と、史実に忠実な「古い2期石垣の上」とする意見が対立。仙台市は3期石垣の上に建設した場合でも古い石垣を保存するため、コンクリート柱の位置をずらした工法案を提示していた。
 しかし、東北大学東北アジア研究センターの佐藤源之教授(地球工学)らの独自のレーダー探査で、3期石垣の北東角近くの地中に古い石垣が埋まっている可能性が浮上。「櫓の建設が未発掘の古い石垣を壊す恐れがある」との指摘が出ていた。
[河北新報 2000年10月20日]