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小中学生向けに艮櫓復元問題を解説

河北新報 11月28日

 11月28日付河北新報朝刊「小中学生向けニュース社会科・NIEのページ」に「仙台城跡の艮櫓復元―景観か史実通りか・位置めぐって議論―」が掲載された。対話式で仙台城石垣の歴史と艮櫓問題の要点を分かりやすく解説している。
 仙台城の石垣を「3期にわたって石の積み方や排水などの技術が大きく進歩したことが分かる石垣の博物館」する。艮櫓は2期の石垣とともに崩れて3期の上には再建されなかったこと、仙台市の当初計画通りに復元すれば古い石垣を破壊する恐れがあったことを紹介。
 これに対して歴史学者の主張する2期石垣上の復元は「実際になかった状態でそれこそ史実に反する」「史実どおりなら2期石垣を復元してその上に建てなくては意味がない」とし、経済界の主張する3期石垣上も「史実ではなく、市が目指す国史跡指定の障害になる」「未発見の古い石垣を破壊する恐れがある」と双方の問題点を厳しく指摘している。
 開府四百年に合わせて櫓を復元するために結論を急いだ可能性を指摘し、「もっと市民の意見を聞いて、時間をかけて検討すれば、より多くの人が納得できる方向が見つかったかもしれないな。21世紀の仙台をどうするかという大切な問題なのだからね」としめくくっている。
[河北新報 2000年11月28日]