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仙台城二の丸北方武家屋敷地区の発掘調査成果公開

東北大学埋蔵文化財調査研究センター 10月19日

東北大埋蔵文化財調査研究センター(須藤隆センター長)が仙台市青葉区川内の川内北キャンパス内で、5月から調査していた仙台城二の丸北方の武家屋敷地区(810平方m)の発掘調査の概要をまとめ、報道陣に公開。敷地内に江戸時代のごみ穴があり、建築廃材や宴会で使った道具が大量に捨てられていた。ごみの始末に困っていた当時の様子が分かるという。
 ごみ穴は、18世紀ごろに掘られたとみられ、この中から、屋根に敷く薄い板などの建築廃材のほか、下駄や漆器、犬の全身骨格などが出土した。池だったとみられる窪地には、素焼きの器やはしなどが折り重なるように大量に出土し、宴会で使用した後、まとめて捨てたとみられる。
 江戸時代の仙台で、どのようにごみを処理していたのかは、これまで明らかになっていなかったが、今回の調査で、武家屋敷地区では敷地内に穴を掘り、埋めていたことが分かった。
 このほか、伊達政宗時代の磁器や陶器も出土したことから、江戸時代の初めから、二の丸北側の地区が広い範囲で武家屋敷地として整備されていたことも判明した。
 埋蔵文化財調査研究センターは「都市特有のごみ問題が江戸時代の仙台にもあった。宴会で使ったはしなどは一度使うとそのまま捨てたようだ」と話している。