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庇付き掘立柱建物跡など9棟

栗原郡築館町 伊治城跡
―築館町教育委員会(報道発表11月1日/一般説明会11月3日)―

 伊治城跡の内郭南辺に隣接する場所で9棟の掘立柱建物跡を確認。このうち5棟は比較的規模が大きく、重複して建て替えられていることや、柱筋をそろえて計画的に建物が配置される状況などから、継続して建物が存在した官衙域であったことが分かった。政庁の建物群とほぼ方向が揃っていることから、8世紀後半から9世紀初頭にかけてのものとみられるという。
 内郭の北側では竪穴住居跡が多数検出されているが、今回の調査区では確認されなかった。また、発見された建物跡の中で最も大きいものは南北14.3m、東西6.2m。東側には庇が付いていたと推測され、内郭の南前面にあたるこの地区は特別な位置付けがなされていたことが窺える。
中央に築地塀によって区画された政庁域があり、それを取り囲む築地塀の内側に内郭官衙ブロックが形成されている。最も外側は伊治城のある台地の縁辺を取り囲む土塁と大溝によって区画されていると考えられる。
今回建物群が見つかったのは外郭内部のの内郭南前面に隣接した場所。

参考引用文献
築館町教育委員会2000「伊治城跡第27次発掘調査現地説明会資料」
2000年12月2日付河北新報